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エヴァンゲリヲン新劇場版:序。
この映画の製作が発表されたとき、今、なぜエヴァなのか?という考えがまず頭をよぎった。
その瞬間、自分の考えた理由は二通り。
1:10周年というイベントに便乗して、(悪く言ってしまえば)一般人に迎合し、もしくは作品について与えられるだけで、深く考察することをやめてしまった現代のライトなオタク達に向けての、「新約:解り易いエヴァンゲリオン」を提示する。
(コレがもし「成功」した場合は、エヴァによる更なる経済効果が期待できるだろう。但し自分はもしこんな作品が上映されたら庵野の作品はもう一生見ない。)
2:10年という歳月をかけ、庵野秀明自身が、「本当は、多分こう終りたかったんだ、俺は。」と感じる、彼の真の(心の)エンディング、また、それを迎えるまでの過程を描いたエヴァ。
但し、この場合は「彼自身の中での」エヴァのエンディングであって、エヴァンゲリオンという作品の終り方は人それぞれだろう。人によっては今回の「エヴァンゲリヲン」のエンディングこそがエヴァのエンディングだという人も居るだろうし、自分の場合はテレビ版の「おめでとう」こそがシンジの物語としては完結しているように思えて一番すっきりする。
再び一から作品を作り直すという意図は、この二つのうちのどちらかだろうと予想していた。
そして劇場に足を運び、実際見てみて・・・。
答え:2. 庵野は今回は私たちを裏切らない。多分。
なるべくネタバレしないように書くが(少々ネタバレ含むのでまっさらな心で見たい人は注意)、
これは、完全に、一度エヴァを見たことのある人間、もしくは何度と無くエヴァを見たことのある人間に向けて作られている。おそらく、この作品がエヴァの入り口になる人は、話の意味が良く分からないと思う。
シンジが初めに電話しているのは公衆電話。何故か安心。音楽を聞いているのはやっぱりDAT。また安心。彼らの中の「2015年」は、制作当時と変わらないままだった。
あらすじはヤシマ作戦までテレビ版と殆ど同じ。但し、不要と思われる箇所は徹底的に削ぎ落とされている。テレビ版で後の伏線となったシーンまでカットされていたので、このシーンはおそらくこの物語では不要なものなのだろう。
逆にいきなり物語の核心となるシーンが新たに挿入されていたりして、後の展開に期待を抱かせてくれる。これらが小気味良いテンポを生み出し、ある意味スリリングでさえある。
こちらは「次に何が起こるか」を既に知っているのだ。必要以上の説明は要らない。
逆に、シンジの心情表現には非常に気を使っているように感じられた。(少し解説っぽく感じられることさえあったが)。シンジは一見主体性の無い少年であるが、常にその中では葛藤が繰り返されており、それを他人に対して表現する手段が不器用なのだということを、彼の心情のシーンを多く挟むことで再認識させてくれた。この点をより分かりやすく描いている所には好感が持てた。
そして、期待の戦闘シーン。
メカは殆ど3Dを2Dに落とし込んだ表現方法だが、アニメーションとして、他の画面とほぼ違和感を感じない仕上がり。動きも非常にスムーズでスピーディー。
対サキエル(何故か第四使徒)戦での夜間戦闘は、初号機の蛍光グリーンが映えて非常に美しい(この色はCGでないと表現できない)。
また、テレビ版では無かった、ラミエルの変形という新設定は一見の価値在り。
そして今回のクライマックス、ヤシマ作戦。
二子山山頂に向かって、日本中の電力を集めるために並べられた、送電線を積んだ夥しい数の車、車、車・・・。
これらも全て繊細なCGでの表現で、イヤでも期待が高まっていく。
緊張がピークに高まったところでついに迎える、対ラミエル戦。ぜひ劇場に行って、その目で見て欲しい。
エンドロールの曲は、宇多田ヒカル。おそらく初めのワンフレーズでエヴァの全てを表現したかったのだろうが、どうにも押し付けがましく感じられた。テンポも次回への期待が高まるような早めのものが良かった。まあ、悪くは無いのだが・・。
エンドロールの後に、いつものおなじみのあの曲と共に、次回予告。
五号機?
あと、見たこと無いキャラクター居るんですけど?
今回は安心してみることが出来たが、もしかして次回作からとんでもない方向に向かっていくんじゃ・・・。
嫌な予感が頭を過ぎる。
まあ、いいや。全四部作という、庵野秀明の壮大なヲナニーに付き合ってやろうじゃないか。
今回の作品、はっきり言って、久しぶりに血が煮えたぎった。こうなったら最後までついていくぜ。
最後に:上映三日目でパンフ売り切れってどーゆーこと?
とりあえずペーパークラフトだけ買った・・・。
零号機の盾が新造された理由が良く分かったよ・・・。
今回はスペースシャトルじゃ防げません。